前回は、モチベーションの谷から脱出して、Lluminoの開発を再開するまでの話。
今回は、とても大事な「アプリの命名」に関するお話です。
今でしy
自分の場合、モチベーションの谷を越えて「いける」と思った段階で命名することがほとんどです。
ところで、Objective-Cでは、クラス名に接頭辞をつけるのが一般的です。 電卓画面のViewControllerで接頭辞が「ABC」なら、「ABCCalculatorViewController」。
第1回で書いたとおり、Lluminoはコードネーム「Heartbeat」で開発していたので、すべてのクラス名の先頭に「HBT(Heartbeatの略)」を付加しています。
名前を変えるということは、つまり、数百あるクラス名もすべて変えるということ。 どんどこクラスが増えていく前に、できるだけ早く終わらせておきたい作業です。
さて、どんな名前をつけようか? 自分がいつも気をつけていることは、こんな感じです。
カヤックさんのコピー講座の資料も、とても参考になります。
そんなことを気にしつつ、今回はアプリのイメージから単語を選び、ふさわしいものを検討していきました。 本邦初公開、これが当時のネタ帳です。
「黒背景に浮かぶ、光るボタン」という方向性は決まっていたので、「光」に関連する語を集めていますね。
「検索であまりヒットしない名前であること」を満たすために、他の特徴を表す “calculator” のような語と組み合わせてみたり。 グーグル先生に尋ねた検索結果の件数もメモってあります。
“luminary” (発光体), “illumination” (照明) あたりがいい感じ。
さらに検討を重ねた結果、読みやすさを重視しつつ「光」を連想させる 「ルミノ」 という名前にしました。
しかし、このまま英単語風に “Lumino” にすると、検索でたくさんヒットしてしまいます。短い単語ですからね。
“illumination” を参考に、Lを重ねて “LLUMINO” としました。 これで、前述の命名条件はすべて満たしています。
この変更にあわせて、クラス名は「LMN〜」となるので、数百あるファイルをゴリゴリ置き換えました。 重い作業を終えて、次回からはいよいよUIを詰めていきます。
つづく。
ありがたいことに、Lluminoは海外でもかなり話題になったようで、動画で紹介してくれるメディアもありました。 しかしこの “Llumino”、ネイティブな方々が期待通り発音してくれるのか、そんなことまでは考えてもいませんでした。
07:21あたり。ドキドキしながら聞いていましたが、ちゃんと「ルミノ」と言ってくれています。
よかったぁ。