前回の「導入編」では、ドット絵の魅力や作成ツールについて書きました。 今回は人物イラストの描き方について、具体例に沿って解説していきます。
小さいサイズのドット絵で重要となってくる要素が「形」です。
Twitterのタイムラインをぼーっと眺めていても、誰だか一瞬でわかるアイコンってありますよね。そういった目立つアイコンは、「形」または「色」に特徴があります。この2つのうち、前者の「形」が16×16ピクセルで表現できるかどうかが、題材を選ぶときのポイントです。
今回は、iOSの「ジャマだカメラ」シリーズで有名なくまんぼうさんにご登場いただきまして、実際にドット絵化する過程を追ってみます。
ジャマカム!〜江頭ジャマだカメラ〜 カテゴリ: 写真/ビデオ, エンターテインメント
元のアイコンはこちら。(ご本人から許可をいただいています)
いちばん特徴のある部分を大事にしましょう。人物アイコンの場合は、ほぼ間違いなく「顔」でしょう。自分が人物を描くときは、必ず顔のパーツから描きはじめます。
輪郭から描きはじめてしまうと、それまでうまくいっていたのに、もっとも重要な顔のパーツが収まらないなんてことも…。
…このような悲劇を避けるためにも、顔の内側、パーツから描きはじめましょう。
まずは目とメガネを描いてみます。
黒目をちゃんと表現すると、このサイズが限界でしょうか。 上まぶたも描いてみます。
う…怪しさ満点になったので省きます。多くを詰め込めないドット絵では、**重要度の低いものを「捨てる」**ことが重要です。
次は口に取りかかりましょう。
上くちびるがキュッとなってかわいい感じですが、これを表現するのはなかなか難しい。
ニヤリ。口角を上げると変態度がアップしてしまうことがわかったので、端は落とすことにします。
チャームポイントのまゆ毛も描き足して、中身はこんなもんでしょうか。
中身が終わったら、顔の輪郭の当たりをつけるために四角で囲います。
この四角をベースに削り足していくと、ふっくらカワイイ形に仕上げやすいでしょう。ドット絵のデフォルメ感は、肉付きが命です。迷ったら肉を足す方向で。
曲線を描くときは、ギザギザが目立たないようにドットの置き方を工夫します。どういう曲線がきれいに見えるかは、いろいろ試しているうちに見えてくるはず。
顔ができたら、残りのパーツ、耳と身体を描いてしまいましょう。
全体のバランスを確認すると耳がやや大きいので、押し込んでしまいます。
ちなみに、原画にはカワイイ犬っこ(ご家族でしょうか?)が描かれていますが、彼らは入りそうにありません。かわいそうですが、今回は出演を控えてもらいましょう。
最後の仕上げ、色塗りです。 スポイトツールで原画から取ってくると楽ですが、自分はあえて使いません。 原画全体から受けるイメージを大事にしたいので、雰囲気を感じ取りながら、それぞれの色を選んでいきます。
こうして、ドット絵くまんぼうさんが完成しました! いかがでしょうか。
ドット絵になったくまんぼうさんは、表情豊かです。楽しい!!
次回に続きます。