Lluminoができるまで(4) – アプリの名前を考える

2013-05-08

前回は、モチベーションの谷から脱出して、Lluminoの開発を再開するまでの話。

今回は、とても大事な「アプリの命名」に関するお話です。

いつ名前をつける?

今でしy

自分の場合、モチベーションの谷を越えて「いける」と思った段階で命名することがほとんどです。

ところで、Objective-Cでは、クラス名に接頭辞をつけるのが一般的です。 電卓画面のViewControllerで接頭辞が「ABC」なら、「ABCCalculatorViewController」。

第1回で書いたとおり、Lluminoはコードネーム「Heartbeat」で開発していたので、すべてのクラス名の先頭に「HBT(Heartbeatの略)」を付加しています。

名前を変えるということは、つまり、数百あるクラス名もすべて変えるということ。 どんどこクラスが増えていく前に、できるだけ早く終わらせておきたい作業です。

どんな名前をつける?

さて、どんな名前をつけようか? 自分がいつも気をつけていることは、こんな感じです。

  • 読みやすいこと (3〜4ひらがなか、よく知っている単語の組み合わせがよい)
  • 検索であまりヒットしない単語であること
  • アプリのイメージにつながるか、その単語自体をアプリと紐づけられるほど印象的であること

カヤックさんのコピー講座の資料も、とても参考になります。

そんなことを気にしつつ、今回はアプリのイメージから単語を選び、ふさわしいものを検討していきました。 本邦初公開、これが当時のネタ帳です。

「黒背景に浮かぶ、光るボタン」という方向性は決まっていたので、「光」に関連する語を集めていますね。

「検索であまりヒットしない名前であること」を満たすために、他の特徴を表す “calculator” のような語と組み合わせてみたり。 グーグル先生に尋ねた検索結果の件数もメモってあります。

“luminary” (発光体), “illumination” (照明) あたりがいい感じ。

ルミノ

さらに検討を重ねた結果、読みやすさを重視しつつ「光」を連想させる 「ルミノ」 という名前にしました。

しかし、このまま英単語風に “Lumino” にすると、検索でたくさんヒットしてしまいます。短い単語ですからね。

“illumination” を参考に、Lを重ねて “LLUMINO” としました。 これで、前述の命名条件はすべて満たしています。

  1. 「るみの」は3ひらがな。読みやすい
  2. 検索であまりヒットしない (当時は100件程度?)
  3. 「光る」というアプリのイメージにつながる

この変更にあわせて、クラス名は「LMN〜」となるので、数百あるファイルをゴリゴリ置き換えました。 重い作業を終えて、次回からはいよいよUIを詰めていきます。

つづく

(後日談)

ありがたいことに、Lluminoは海外でもかなり話題になったようで、動画で紹介してくれるメディアもありました。 しかしこの “Llumino”、ネイティブな方々が期待通り発音してくれるのか、そんなことまでは考えてもいませんでした。

07:21あたり。ドキドキしながら聞いていましたが、ちゃんと「ルミノ」と言ってくれています。

よかったぁ。

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