Easing.pde — Robert Penner氏のeasing関数をProcessingに移植しました

2014-12-03

ビジュアルコーディングにおいて、気持ちよい動きを実現するために必須ともいえる「easing関数」。今回は、有名なRobert Penner氏のものをProcessingに移植して、勉強会のメンバーが使えるように仕上げてみました。

こういう動きが作れるようになります

ものを動かす方法

突然ですが、ここに丸があります。ボールです。

このボールをとにかく動かせ!と言われたとき、あなたならどう実装しますか? 例えば、毎フレーム2ピクセルずつずらしていく…みたいな感じが、最も簡単でしょうか。

void draw() {
  background(255);
  ballX += 2;
  ellipse(ballX, ballY, ballSize, ballSize);
}

コードはこんなイメージ。 動きがわかりやすいように、絵のほうは往復させています。

これは「等速直線運動」といって、ずっと同じ速さで移動する動きになっています。 時間と位置の関係をグラフにしてみると、まっすぐ直線になります。

最も簡単に実装できますが、何だか味気のない動きです。こんな動きをするものなんて、現実世界ではまず見ないですからね。 この単純な動きをいい感じに歪ませて味を出すのが「easing関数」です。

easing関数

「ease」を辞書で引いてみると、その意味は「緩める」。つまりeasing関数とは、先ほどのまっすぐな動きを「緩める」ための関数なのです。

緩めかたにも種類がありまして、「ease-in(動きはじめを緩く)」「ease-out(動き終わりを緩く)」「ease-in-out(動きはじめと終わりを緩く)」の3種類に大きく分けられます。

今回は終わりを緩くする「ease-out」に注目し、さらにその中のひとつを見てみましょう。

この関数には「easeOutBack」という名前が付いていまして、0から勢いよく飛び出し1を超えたあと、「緩く」1に収束する形をしています。これを先ほどの動きに適用してあげると…。

やや勢いあまった動きになりました。先ほどより生き生きしているでしょ?

Robert Pennerのeasing関数

このような「いい感じの動きに味付けする」easing関数は偉大な先人たちによってたくさん編み出されており、その中でも特に有名なのが、Robert Penner氏のeasing関数です。

先ほど紹介した「easeOutBack」もそのひとつです。他にも面白そうなeasing関数がたくさんあります。

これなんかも面白い動きになりそうですよね。

Easing.pde

ぜんぶで30種類あるRobert Pennerのeasing関数。それらをProcessingで簡単に使えるようにしたのが、今回のEasing.pdeです。

Easing.pdeの使いかた

使いかたは簡単。

導入方法

まず、Gistから最新のソースをダウンロードしてきます。 ダウンロードしたpdeファイルを、あなたのスケッチと同じフォルダに置いてください。

以上で準備完了です。

easing関数を使う

2通りの使いかたを用意しました。 一番簡単なのは関数を使う方法。 0.0〜1.0のfloat値を渡すことで、歪めた結果(0.0〜1.0)を返してくれます。

float value = easeOutBack(t);
...

もうひとつは、Easingクラスのインスタンスを生成する方法です。

Easing easing = new EasingOutBack();
float value = easing.get(t);
...

こちらの方式にしておくと、インスタンスを入れ替えるだけで動きを劇的に変える…みたいなテクが使えるようになります。オブジェクト指向ラブな人向け。

(インタラクティブデザイン勉強会のまとめページはこちら)

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