Illustratorのスクリプトで、一部の領域のみをエクスポートする方法が見つからず試行錯誤したので書いておきます。
エクスポートする
まず、Illustratorでエクスポートするには?
Illustrator Scripting Referenceを開き、 export
で検索します。
Document methodsの項に、 exportFile
を発見。
exportFile(exportFile, exportFormat [,options])
Exports the document to the specified file using one of the predefined export file formats. The appropriate file extension is automatically appended to the file name, except for Photoshop® documents. For these, you must include the file extension (PSD) in the file specification.
第2引数でフォーマットを、第3引数でその他のオプションを指定するようです。
オプションは、同じく「 export
」で検索すると出てくる「ExportOptions〜」クラスのインスタンスを渡します。
ExportOptionsAutoCAD
ExportOptionsFlash
ExportOptionsGIF
ExportOptionsJPEG
ExportOptionsPhotoshop
ExportOptionsPNG8
ExportOptionsPNG24
ExportOptionsSVG
ExportOptionsTIFF
今回はPNG形式で出力したかったので、 ExportOptionsPNG24
の項を参照します。
調べる前は、「 options.exportRect
みたいな感じで、エクスポート領域を指定できるんだろう」と思っていたのですが…見つからない。
領域に関する設定は、「 artBoardClipping
」のみ。
artBoardClipping
If true, the exported image be clipped to the art board. Default: false
これを true
に設定すると、アートボードの範囲にクリップされるようです。
つまり、アートボードの大きさをエクスポートしたい領域に合わせれば、指定した領域のエクスポートが実現できるはず。
同様にリファレンスを辿りながら、こんな感じでアートボードの領域が取得できました。
var doc = app.activeDocument;
var artboards = doc.artboards;
var artboard = artboards[artboards.getActiveArtboardIndex()];
alert(artboard.artboardRect);
この artboardRect
を変更することで、アートボードのサイズが変更できます。
var doc = app.activeDocument;
var artboards = doc.artboards;
var artboard = artboards[artboards.getActiveArtboardIndex()];
artboard.artboardRect = [0, 0, 200, -300];
アートボードのサイズを変更しっぱなしでは、ユーザが困ってしまいます。もとに戻してあげるまでがスクリプトの仕事です。 副作用なく使えるように、関数としてまとめておきましょう。
function exportPng24(document, rect, file) {
var artboards = document.artboards;
var artboard = artboards[artboards.getActiveArtboardIndex()];
// アートボードの領域を覚えておく (あとで元に戻す)
var prevRect = artboard.artboardRect;
// アートボードをエクスポートしたい領域に変更する
artboard.artboardRect = rect;
// アートボード領域でクリップするように設定
var options = new ExportOptionsPNG24();
options.artBoardClipping = true;
// エクスポート!
document.exportFile(file, ExportType.PNG24, options);
// アートボードの領域を元に戻す
artboard.artboardRect = prevRect;
}
var document = app.activeDocument;
var file = new File('~/Desktop/hoge.png');
exportPng24(document, [0, 0, 200, -300], file);
前の例では領域を直接指定しましたが、選択オブジェクトに合わせる場合は Document#fitArtboardToSelectedArt
が使えます。
オブジェクトの選択は、 someObject.selected = true;
です。