ここぽんのーと

コードとデザインの境界に生きるエンジニアの、雑多な記録帳。

アプリを長ーく育てるためのTips集。「ヒットするiPhoneアプリの作り方・売り方・育て方」

2013/09/21, cocopon

タイトルから「稼げる」系の雰囲気を感じて少し警戒してしまいましたが、まったく違いました。ゴメンナサイ。
趣味でiOSアプリ開発をしている視点から、この本を読んでみました。

ヒットするiPhoneアプリの作り方・売り方・育て方
川畑 雄補 丸山 弘詩
マイナビ
売り上げランキング: 42,394

アプリを「育てる」とは

この本のはじめに、こんな問いがあります。

「あなたは何を持ってヒットと捉えますか?」

たくさんの人に喜んでもらえること?
たくさんお金を手に入れること?

目的こそ様々ですが、共通しているのは「何らかの対価がほしい」ということです。
「たくさんの人に喜んでもらえる」 = 利用者のハッピー、「たくさんお金を手に入れる」 = 売り上げ、といった具合です。

アプリをつくるには、自分のリソース(時間)を消費します。
その結果、対価が得られればモチベーションが向上し、次のバージョンに注力できます。
しかし、充分な対価が得られなければ…そのうち投げ出してしまうでしょう。

アプリを長く継続させていくこと、つまり「育てる」こととは、「アプリをつくる→対価が得られる→もっとがんばる→対価が得られる→…」というサイクルを、上手に回していくことなのです。

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この本では、限られたリソースを正しい方向につぎ込んで、アプリを長く育てていくためのTipsが詰め込まれています。

企画から運用まで、全工程に渡るTips

長く育てるアプリをつくるには、企画から設計→リリース→運用まで、すべての工程での配慮が欠かせません。
この本では、開発者登録からはじまるすべての工程が丁寧にカバーされています。

好印象だったのが、ユーザに愛されるアプリには欠かせない、ターゲットユーザの絞り込みやUXをきっちりと解説している点。
自分のアプリで実践済みのことや共感できることもたくさんあり、頷きながら読み進めました。

p.62 [企画]こんなアプリならどのモデルを狙う?
アプリの特性に応じた、適切なマネタイズモデルの解説。
簡単な試算の方法も載っています。
p.123 [設計]アプリのコアとなる価値を再確認する
既に勝ち目のないアプリがあっても、ターゲット層が違っても、アプリは長続きしない。
正しい戦略を練るためのTipsです。
p.132 [設計]ユーザーエクスペリエンス〜iOSの流儀に合わせる
愛されるアプリのために必要不可欠な「UX」。
モバイルアプリ特有のUXのポイントを押さえています。
p.191 [運用]App Storeでの掲載やレビューを上手に活用しよう
アプリ購入の入り口となるApp Store。
説明ページやユーザーレビューを活用するためのヒントが書かれています。
p.214 [運用]口コミのループをつくりだそう
強力な拡散力を持つ「クチコミ」。
そんなクチコミとの上手な付き合い方について書かれています。

広告収益・課金システムの章が充実

「広告収益」と「課金システム」は、それぞれ独立した章として構成されていて、力が入っている印象を受けます。
用語の解説から各方式の試算まで丁寧に解説してくれるので、広告もアプリ内課金も触ったことのない自分のような開発者でも、その世界の雰囲気を掴むことができました。

見積もり書の書き方まで!

7章「開発・受発注」には、なんと見積もり書の書き方と注意点まで載っていました。
「俺、こんな会社辞めてフリーランスになるんだ…」というとき役立つに違いありません。メモメモメモメモ。

まとめ

話がやや拡散してしまいましたが、それだけ広い工程をカバーしているTips集なのです。

最後のTips『おわりに〜「真にヒットするアプリ」とは』の段落を引用して締めることにします。

本書はヒットするアプリを作り、そして育てていくための本ですが、真にヒットするアプリとは、人々から愛され、世界を少しだけでも良くしていくものなのかもしれません。常に生活をともにするデバイスだからこそ、私達も人々の生活に寄り添ったアプリを作って行きたいものです。

自分の愛情を注ぎ込む価値のあるアプリが、たくさんの人に愛されることで、さらに良いものになっていく。このサイクルを維持することが、真にヒットするアプリへの道なのだ。
がんばろう。

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