ここぽんのーと

コードとデザインの境界に生きるエンジニアの、雑多な記録帳。

作品の価値を高めること、バズを生み出すこと – DEXS 2013に参加してきました

2013/04/13, cocopon

本日、品川で開催された DEXS (Design Extreme Seminar) 2013 に参加してきました。

dexs2013

DEXSってどんなイベント?

公式サイトの説明によれば、

テクノロジーで、すべてのクリエイターの手助けをしたい。
そんな想いを形にする、クリエイター向けセミナー DEXS 2013 が今年も開催。

今回は、フォトグラファー、映像制作者、プランナー、Web デザイナーの方などに向け、それぞれの業界のトップクリエイターが
様々な事例やアイデアを交えながら、テクノロジーを活用する方法をお話しします。この機会に、ぜひご参加ください。

要するに、トップクリエイターのお話が聞ける場、ということですね。
今回はこんなプログラムでした。

1. Photo Session フォトグラファー 藤本ツトム氏
2. Interactive Session PARTY クリエイティブ・ディレクター 川村真司氏
3. Intel Session 電通 CMプランナー 高崎卓馬氏
4. Movie Session NHK VFXプロデューサー 結城崇史氏

自分が受け取ったメッセージ

人間の記憶力、集中力はそんなにもたないもので、参加者が持ち帰れるエッセンスはごくわずか。

写真

自分が受けとった空気感・刺激を忘れないように、ここでは自分がビビッときた2つの要素を書き残しておきます。

網羅的な内容は、他のちゃんとしたメディアにお任せしましょう。
(あるのかな?)

制作過程や背景が、作品そのものの価値を高める

川村氏、高崎氏のセッションから、共通して感じた要素です。

川村氏による、楽曲PVの制作事例

2番目のセッション、川村氏のお話では、andropというバンドの曲「Bright Siren」のPV制作の事例が紹介されました。

最高にクールですね。
曲の中に出てくる「思い出」というイメージから、思い出を記録するカメラを連想し、この表現に至ったそうです。

これだけの台数のカメラを発光源として使う試みは、今までなかったでしょう。
前代未聞の表現技法、その制作の裏側がおもしろいのは必然でもあります。

このメイキング映像は、海外からの反響も大きかったそう。

「作り方を変えると、違うものができあがる」。

川村氏は、その斬新な「作り方」も作品の一部とすることで、本編の芸術性を高めています。

高崎氏による、CMの制作事例

セッション変わって高崎氏は、ドコモ dビデオのCM制作について。
松田龍平と米俳優のロバート・デ・ニーロが共演しています。

デ・ニーロが出演しているだけでもすごいことで、交渉には相当苦労したとのこと。
それでも高崎氏には、どうしても実現したい理由がありました。

それは、
松田優作が唯一認め、共演したいと語る俳優がデ・ニーロだったこと。
松田優作が病に倒れ、ついに共演が叶わなかったこと。

松田優作の子で悲願の共演を実現し、歴史に1ページを加えたかった。

ぐっときますね。

このエピソードを聞いてからCMを見返すと、また違った趣を感じるのではないでしょうか。

制作者の想いって大事だ

「クリエイターは作品で語るべきで、本人の口から語るべきではない」と言う人もいるでしょう。
でも、自分は今回のセッションを聞いて、純粋に「いいなぁ」と感じました。

制作者がどのように考え、想い、作品を生み出したか。
自分はもっと、出していきたい。

予定調和を崩して、人のバズを生みだす

3番目のセッション、高崎氏は「さすがあの電通」といった雰囲気。
「バズる = 話題になる」という現象を、とても深く研究していることが伝わってきます。

過去の作品を紹介しながら、「いま作って公開してもバズると思います」とコメント。
確かに話題になるだろうなぁ…。

auのCMの事例: 鏑木が読めない

かなり前の、auのCM。

【ニコニコ動画】懐かしいCM au 「鏑木」編

旧友の名字が思い出せず、適当に言ってみるがなかなか当たらない。
そこで、当時ではまだ珍しい写真付きメールを他の友人に送って、名前を確認する。
「鏑木だよ」と返信をもらうが、どう読んだらよいかわからない…というCM。

「メールで写真を送れる」という製品の魅力を自然に伝えつつ、最後はしっかり落としています。
高崎氏は、CMで完結しないこの要素を「あと一歩の隙」と表現していました。

公共広告機構のCMの事例: こどもの想像力

もうひとつは、公共広告機構の「こどもから想像力を奪わないでください」。

黒いクレヨンを無心で塗り続ける子供。
CMの最後で、想像できない結末を迎えます。

予定調和を気持ちよく崩す

「見る人の予定調和を、どれだけ気持ちよく崩せるかを考えている」と高崎氏。
どちらのCMにも、「想像を超える = 予定調和を崩す」結末が盛り込まれています。

人は予定調和を崩されることで、気持ちよく騙された体験を誰かにシェアしたくなる。
そんな質の高いバズを生み出していきたい、と語っていました。

バズを作っていきたい

人が話題を共有したくなるときっていうのは、どんな形であれ、その人の感動を超えたときなんですよね。
予定調和を崩せるような品質やアイディアを、自分も狙っていきたい。